
愛知県の司法書士事務所に勤務している司法書士が公文書偽造で逮捕されたというニュースが飛び込んできた。
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公文書とは簡単に言えば役所の出す文書である。記事によればこの司法書士は、愛知県知事の印影のある認可書を偽造し、法務局に提出したという話である。
……この記事を読んだときに正直、ゾッとした。
司法書士に限らず、士業ならばこの恐ろしさを理解することができるだろう。
公文書偽造は、刑罰に『罰金刑がない』のだ。これはそれだけ他の犯罪と比べても重罪である事を示している。
しかも、愛知県知事の公印(印影)を偽造してからの偽造であり、悪質性が高いと判断される可能性が高い。
逮捕された司法書士は医療法人の分院開設の変更登記を受けたという話である。多くの人が誤解しているのだが、変更登記は確かに司法書士の領分であるが、分院開設の許認可は行政書士の領分である。それに保険関連であれば社会保険労務の領分だし、税関連ならば税理士の登場だ。
そう、医療法人の分院開設というのは本当に一大事業であるのだ。
この一大事業のとっかかりである定款変更登記を依頼された司法書士がやらかしたというわけである。偽造した認可証を法務局に提出しそれが一端受理されたというのは、そのまま次の段階に準備が進んでいた可能性すら存在する。
依頼した医療法人は、すでに土地を購入していたかも知れない。すでに建物建築計画が始まっていたかも知れない。医師や看護師を雇用していたかも知れない。医療機器メーカーと納品の期日が決まっていたかも知れない。
それら開設計画が大きく狂うことになるのは間違いないだろう。一体どれほどの損害が生じることになるのか私にはわからないが本当にすごいことになったというのが私の感想だ。
しかもこの司法書士は自分で開業しているわけではなく、『勤務』している司法書士なのだ。
開業する士業のほとんどは保険に入っているものであるが、この司法書士事務所が一体いくらの保険に加入しているかで明暗が分かれることは間違いない。
今回の件がどこまで被害を生じさせることになるかは情報が無いのでわからないのだが、それでも彼一人が逮捕されそれで丸く収まるという感じではないだろう。
Twitterではこの法人を知っている人がいて、この司法書士は行政書士と兼業しているという話も見た。ひょっとしたら事務所の方はそのために逮捕された司法書士にこの仕事を任せたのかも知れない。
どういう背景があってこの司法書士が公文書を偽造したのかはわからないのだが、医療系に詳しい行政書士の先生に相談しておけば避けられた事例であるのは間違いない。
おそらく逮捕された司法書士は。偽造した書類を提出してから発覚するまで生きた心地はしなかったことだろう。いつかバレるのは確実に本人も分かっていたはずなのだ。犯罪行為が割に合わないと思うのはまさにここである。
犯罪行為は必ずバレるものだ。少なくとも「バレるかもしれない」という恐怖を一生抱えて生きることになるのだ。発覚するまで不安な日々を過ごすのだから相当なストレスであるのは間違いない。
犯罪行為は本当に割に合わない。