
『相続土地国庫帰属制度』という制度をご存じだろうか?
まぁ、どんな制度か聞いた事がなくても、制度の名前を見ればそれがどのような制度であるのか想像はつくのではないだろうか。
文字通り『相続した土地を国のものにする』制度ということになるわけだが、ではなぜこの制度を今回取り上げたかというと今後の日本でこの制度の需要が高まる事は間違いないからである。
ではどういう人に需要がある制度なのかというと簡単に言えば『地元を離れた人』ということになる。
この制度は地元を離れて別の土地で就職した人のための制度なのだ。
地元を離れた人は別の土地で生活基盤を築くことになるので、本音を言えば実家の不動産はいらないわけで、どんなに言葉を飾ったところでこの図式は変わらないだろう。
当然ですが寿命が先に尽きるのはどうしても親世代になる。
すると相続で実家の土地を取得することになるのは子ども世代、もしくは孫世代となるのである。
相続した土地が地方の県庁所在地のような都市にあるのならば、現金化もしやすいのだろうが、そうでない土地を得た場合は悩みの種となってしまう。
具体的に言えば『農地』である。
現実に農地というのは市場価値が低い。それに農地を売買しようとしても農業委員会の認可が必要であり、簡単には売買できないというのが現実なのだ。
そして、農地というのは適切な管理を行わないとあっという間に荒れ地になってしまう。荒れ地になった農地は間違いなく近隣の農家の方々から苦情がくる。なぜなら荒れた農地を拠点にして、そこから害虫が発生したり、野生動物の住処となり近隣の農地が被害を受けるからだ。
そう、農地を管理しないということは間違いなく近隣住民と紛争をおこすことになるのである。
そうなると草刈りなどの農地の管理を行う必要があるのだが、実家から離れたところに生活基盤のある人間に管理は不可能だ。そうなると人を雇って管理することになるのだが、これはものすごく費用がかかるのは容易想像できる。
そしてその管理費用は一回で済むはずはない。毎年定期的に安くない費用が相続人の懐から出ていくのである。
これは中々負担の大きいサブスクリプションである。
そんな『買い手がつかない土地』に加えて『管理ができない土地』を国庫に納めるというのが
『相続土地国庫帰属制度』なのである。
次回は、もう少しこの制度について詳しく述べていこうと思う。