日. 4月 5th, 2026

相続で『遺留分』を忘れてはいけないと言う話

 『遺留分』という言葉をご存じだろうか?

 おそらく法律関係者でない限りほとんど野方は知らないことだろう。場合によっては相続を経験した方であっても耳にしない可能性すらある。

 今回はそんな『遺留分』について伝えていきたいと思っている。

【1,『遺留分』という制度の趣旨】
 まずは遺留分とは何か?であるが、遺留分とは簡単に言ったら救済措置である。

 相続人には遺産の祖族権があるのは常識打と思うが、常にこの相続権を行使することが出来るとは限らない。
 例えば故人(被相続人)が全財産を福祉施設へと寄付すると遺言書に記したとしよう。

 被相続人は配偶者が同居していたとする。その時に全財産を寄付されてしまった場合、下手したら配偶者は無一文で放り出されることになるのだ。

 そのような状況を良しとするべきだろうか?

 当然、そんな事は認められたとして、相続にあぶれてしまった人への救済措置が設けられることになったというわけである。

 そのための救済制度が『遺留分』というわけなのだ。

【2,具体的にどれだけの遺留分がもらえるのか?】
 では具体的に遺留分はいくらもらえるのか?

 それは法定相続分に1/2を掛けた額という事になる。

 例えば、Aという人物が亡くなったとしよう。Aには配偶者Bと子どもC,Dが二人いる。民法の規定通りならば、配偶者は『1/2』となり、残りの1/2を子どもC,Dで半分ずつ、つまり『1/2×1/2』となりCとDの法定相続分は『1/4』ということになる。

 上述したように遺留分は法定相続分にさらに『1/2』をかけたのが遺留分という事になる。

 すると配偶者Bは法定相続分1/2×遺留分1/2で相続財産の1/4となり、CとDの場合は法定相続分1/4×遺留分1/2で相続財産の1/8ということになるのだ。

 イメージ的には法定相続分×1/2と考えておけば良いだろう。

【3,相続分と遺留分は違う】
 最後に相続分と遺留分は違う別個の制度であるということを説明したい。

 中々ないケースだとは思うのだが、もし相続人が何らかの事情で相続放棄をしたとする。この相続放棄をした場合でも遺留分を主張することは『可能』なのである。

 何のこっちゃ?という印象を持つ気持ちはよく分かるのだが事実なのだ。

 そして、法定相続の取扱においても、相続分と遺留分では異なる規定が適用されている。

 法定相続では、もし、被相続人に配偶者はいるが子どもがいなかった場合(実子、養子問わず)、相続権は両親となりm両親もいない場合は兄弟姉妹へと移っていくことになる。

 もちろん、それに伴い法定相続分の割合も変わっていく。その辺りは『こちら』を読んで欲しい。

 だが、遺留分はその状況が少しばかり異なるのである。

 両親には遺留分が認められるのだが、兄弟姉妹は遺留分は認められないのである。

 ここは結構誤解する人が多いので、きちんと分けておいて欲しい。

【まとめ】
 遺留分という制度は救済措置であると同時に、相続人の意思決定の制度でもあるので、決して軽はずみに決めるような事はしてはならないと思っている。

 遺留分に関する事だけでなく相続業務全般に一度下した決断は覆す事は出来ないと考えて慎重に決断して欲しいと思う。

 

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