月. 4月 6th, 2026
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 東京都が恐ろしい政策を打ち出してきた。

 その政策というのは『教員免許がなくても教員採用試験を受けることができる』というものだ。もちろん、合格後二年以内に教員免許を取得するという条件がつく。

 この政策は実は来年度に行われる教員採用試験ではなく、今年度の教員採用試験においてすでに実施されているのだ。

 誤解しないでほしいのだが、私はこの政策を非難するつもりは一切ない。では私が『恐ろしい』と評したのは別の理由がある。

 それは教員の志願者が減っており、教員の確保に対してなりふり構ってはいられないという現状を考えたからである。

 私は就職氷河期であり、大学院を卒業しても職がなく、非正規雇用で食い繋いでいたものだ。そして、それを避けるためにも教員や公務員に応募が殺到したものである。

 私の住んでいる宮崎県も教員希望者が殺到した。私がかつて受験した中学校社会の教員の倍率は確か10倍を超えていた。10人受けて一人の合格者というわけで、逆に言えば九人は落ちるというわけである。
 現在はかなり倍率が下がり、3倍程度になるというデータだ。ただし、教科によっては倍率が上がったりするので、鵜呑みにしてはならないと思う。各教科の倍率は少し調べれば出てくるので、そちらの方で確認してほしい。

 かつては教員採用試験に合格するのは相当大変であるということである。ところが、令和四年度の東京都での教員採用試験では教員の確保のために試験に対して大幅な『配慮』がなされている。私はそれに対してズルイとか主張するつもりはない。
 やはり、条件を緩和しないと人が集まらないという教員という職業の不人気っぷりに戦慄する思いなのだ。

 私は中学校、高校で勤務した経験はある。そこで一緒に働いた先生方ははっきり言って仕事のできる人ばかりで、人格的にも立派な人たちばかりであった。あの方達と一緒に働けたというのは自分の人生にとって物凄くプラスになったのは間違いない。
 ただ、その先生たちは皆本当に忙しそうだった。何しろ、朝の朝礼が終わると次の日まで会うことのない方々ばかりだった。ほとんど授業や生徒指導で職員室で会うことはほとんどないのである。そして、放課後は部活指導、生徒指導で会うことなく1日が終わるのである。

 すごくないか?

 朝礼の時にしか会わない先生がいるのだぞ?

 授業の空き時間の時には、皆事務処理に追われているし、課題の作成や点検を行っている。休み時間には次の授業の教材を取ったら五分ほど休憩して次の授業に向かう。

 そんな勤務体系であるのだ。時々、外で教員がタバコを吸っていることを責める人がいるが、それぐらい許してやれよと思う。あれだけの激務をこなしているのだから、タバコを吸うことくらいで文句を言うなと言うのが私の正直な気持ちである。

 失礼、取り乱しました。話を教員が不人気職業ということに戻そう。

 教員が激務である。そして教員に対する過度なバッシングが見られるようになり、教員という職業の人気が一気に落ちたのは間違いない。

 東京のような大都会ではわざわざ教員にならなくても他の仕事に就けば良いのである。しかも給料も教員よりも高い企業などいくらでもある。同じ激務ならばそちらを選択しても何の問題ではない。

 ただ、これは東京のような大都会の話で、宮崎県のような地方では教員採用試験の倍率はまだまだ相当高いのが現実だ。
 だが、これは単に時間差であるにすぎない。

 なぜなら、地方で採用試験に合格できない人たちが今後東京の方に移動して、そこで正式採用されるという事例がどんどん出てくることだろう。

 地方で合格できないと言っても決して実力が低いというわけではない。採用人数が一人〜二人という状況のために落とされるだけであり、その実力は相当高いというのが現実だ。
 そんな人材が東京都の試験を受けてくれるというのは東京都としては拒む理由などない。何しろ受験の条件を緩和してでも受験者数を確保したいのだ。

 当然、今後は教員の待遇もさらによくなっていくのは間違いないだろう。それに地方は抗えない。というよりも待遇改善を行うことは現時点ではあり得ない。なぜならば受験者数が未だ定員割れしていないからである。
 このような状況では教員の待遇改善が行われる可能性はほとんどない。東京都に教員志願者がどんどん移動し、定員割れをした時に初めて動くことだろう。

 なりふり構わない政策に打って出た東京都であるが、これにより他の自治体は明らかに遅れをとったと言えるだろう。

 十年……いや、下手したら五年ほどで地方も東京都のような政策をとるかもしれない。だがそれでは遅いのだ。東京都は真剣度合いが違うことをきちんと地方の教職員の人事関係者は認識してほしいところだ。

 ただ、この状況は教員を目指す人たちにとっては悪い話ばかりではない。地方にこだわらなければ東京で教員になるという道があるし、東京都としては地元への想いを断ち切るほどの好条件を提示してくる可能性もある。そしてそうなれば地方の方も引き止めるために教員の待遇を改善することになるのだ。

 おそらく今後10年程で教員の待遇は向上していく一方だろう。

 それを他の業種にもぜひ広めてほしいものである。

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By 福川 要

 2021年6月に宮崎県の片隅でひっそりと行政書士事務所を開業中。  主な業務は、許認可関連、遺言状作成です。

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