
令和6年6月26日に『学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律』が成立した。
正式名称は長すぎるので今後このコラムでは『子ども性被害防止法』と表現させてもらおうと思う。
通称を見れば分かっていただけるように、この法律の目的は『子どもが性被害に遭わないようにする』事であり、言い換えれば『子どもを守る』事を目的とするものだ。
ではどうやって、子どもが性被害に遭わないようにするのか?
この子ども性被害防止法では『過去に性犯罪を行った者を教育現場から排除する』という方法で子どもが性被害に遭わないようにするという趣旨だ。
これについては色々な批判はあるだろうが、現行の法律を考えるとこれ以上というよりもこれ以外の方法は存在しないと私は思っている。
一度も性犯罪をしていないのに排除するというのは「あいつはやりそう」という主観による排除でしかないために差別そのものになってしまうからだ。日本には職業選択の自由があるために不必要に職業に就けないとすることに対しては慎重にならざるを得ないのである。
【安全であるという認定制度が始まる】
さて、そうすると学校や学習塾などの経営者は、そこで働く職員が『今まで一度も性犯罪を行っていない』という証拠を提示する事が必要になってくる。
何故かというとそれを提示できる学習塾は保護者へのアピールができるからだ。
そう「当塾は安全です!」とアピール出来る事は生徒の保護者側から見るとものすごいアピールポイントになる。
このアピールができる学習塾とできない学習塾は少しずつだが確実に実績に差が出てくることだろう。
そして、これまでは自称であった安全性のアピールであるが、今後は『国』『都道府県』などの『公的機関』がお墨付きを与えてくれることになるのである。
日本ではなんだかんだいって公共機関への信頼度が高い。その公的機関のお墨付きは大きな力を発揮することになるのは間違いない。
そのための認定制度の構築に現在『子ども家庭庁』が取り組んでいるのである。
【制度施行は1~2年後か?】
現在、子ども家庭庁の職員は制度構築のために他申請制度などを参考に頑張っていることだろう。
後々に告げるがこの制度は『犯罪歴』に触れる制度であるために、その運用には細心の注意を払って制度構築をすることになる。
私は日本の官僚は世界トップクラスの能力を持っていると考えているが、そんな能力の持ち主でも年単位の時間がかかるのは間違いない。
だが、私が2年と示したのは施行期日の関係である。公布の日(令和6年6月26日)から2年6ヵ月を超えない範囲において政令で定めるという方針だからである。
このために令和9年ごろから認定制度が始まるものと私は見ている。
【まとめ】
法律の成立により新たな許認可、認定制度が始まると言うのは正直なところ行政書士としては興味があるし、この制度により性被害を受ける児童生徒の可能性がへるという事は喜ばしいことである。
正直な話、経営者にとっては負担が増える制度であるからやりたくないというのが本心であるだろう。しかし、国が定めた以上はそれを前提として教育業界が構築されていくことになる以上、経営者としては対策を打たなくてはならないのである。
そう考えると単に制度を否定するのではなく、それを上手く活用して自身の事業を発展させていくように考えて欲しい。