
先日、Xのポストでこのようなものがあった。
ポスティングされていたというチラシだ。
その中で主催者と思われる女性の肩書きにあった『相続実務士』という肩書きが気になったので少しばかり相続実務士とは何なのか調べてみた。
結論から言うと『実際にできる業務は何もない』ということである。
どうしてそう思ったのかこれから説明していきたい。
【相続実務士とはどんな資格か?】
『相続実務士ができること』(相続実務協会HPより)
相続実務協会のHPを見た結果であるが、正直な話HPの説明を見てもピンとこない人がほとんどではないか?
私の解釈では相続実務士とは『コンビニ』みたいなものということになった。
相続業務はたくさんの専門家がかかわることになる。例えば相続で揉めれば『弁護士』に相続税に関する事なら『税理士』、不動産登記であれば『司法書士』などがそれぞれ対応することになる。
相続実務士を私は『コンビニ』に例えたのだが、コンビニに行けば必要なもの(各種専門家)は揃う。この便利さは評価すべきだろう。
だが、相続実務士自体には相続実務でできることは『ない』
【各士業には独占業務がある】
相続実務士が実務で出来る事はないというのは、それぞれの専門家が『法的』に独占業務が認められているからである。
前述したように
相続でもめたら『弁護士』、相続税は『税理士』、不動産の登記なら『司法書士』がそれぞれ独占業務を持っている。
それに相続というのは戸籍を扱うのは必須条件であり、相続実務士は他人の戸籍を取得することはできないのだ。
戸籍を自らの職権で取得できないのに相続業務をすることが本当に可能なのか?
まず無理だろう。
そもそもやれない。もしやったとしたら弁護士法違反、税理士法違反、司法書士法違反などで逮捕されることも普通に想定しなければならないだろう。
それぞれの法的に認められた独占業務を侵害する事は危険極まりないのだ。
【最終的に『お前の存在いる?』となるのではないか】
さて、相続実務士は窓口としては需要はあるだろうが、各専門家からすればそこまでであり、後は依頼人と直接やりとりするようになる(絶対にそっちの方が早いのがその理由)から、相続実務士が間に入ろうとしても邪魔になってしまう。
それに相続実務士というのももちろん商売でやっているのだから、利益をあげる必要がある。
士業は基本的にバックマージン(紹介料)を支払うこと、受け取ることが認められていない。もしバックマージン(紹介料)に関わったら懲戒処分が下されてしまう。ということは相続実務士はどこから利益を得ることになるのか?
もちろん、依頼人からだろう。
そこ自体は否定するべき事ではない。
相続実務士は相続業務の最後までいるのだろうか?
業務に関われない以上、最初の窓口になり専門家を紹介した段階で仕事は終了だろう。
もし、それ以降も業務に関わろうとしたら、『当たり前のような顔でいるけどそもそもお前の存在いる?』となるのは目に見えている。
【まとめ】
相続系の民間資格というのは数多くある。今回説明した『相続実務士』も『相続診断士』も『相続アドバイザー』などの資格がある。
だが、実際の相続業務で民間資格はほとんど活躍できるものではない。
もしこれらの資格で相談、申請、紛争などの相続業務に参加しようとしたらものすごい大トラブルになるのはわかりきっているのだ。
個人的には相続診断士とか相続実務士とかの名称はやめてほしいとすら思っている。多くの人達は正直な話、各士業が相続業務において何が出来るのかなど知らないし、興味もないだろう。だから『相続○○士』のような名称を用いられると大きく勘違いすることになる。
相続が怒ったら弁護士や司法書士にまず相談した方が絶対にいいだろう。